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【将棋】一流棋士の悪手たち

将棋鑑賞の見どころといえば、素人には思いもよらない妙手や高度な指しまわし、
さらには、あらゆる局面を読み切っての最善の一手、鮮やかな寄せなどが挙げられるだろう。

 一方で、一流のプロ棋士による「悪手」も魅力的である(指した本人は悪夢だろうが……)。
ここでは名棋士の悪手をelmoの評価値とともに紹介したい。

 

激辛流が裏目に!? 名人戦の大頓死
2002年名人戦 丸山忠久名人vs森内俊之八段

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図(前後逆)は2002年の名人戦第2局、丸山名人勝勢の場面。7七銀成、同馬、8五金と進めば勝勢を維持できていた(評価値6500以上+)。

しかし、丸山名人は激辛流の同金。素人目には自然な一手であるが、これが世紀の大悪手だった。

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すかさず森内は7一龍とバサリと切る。
これが同金、4二歩打からの11手詰みで後手丸山は即投了。
結局この名人戦は4-0で森内のスイープに終わる。

 

続いては森内名人の大悪手を。

伝説の森内ジャンプ!
2008年名人戦 森内俊之名人vs羽生善治二冠

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図は入玉を目前にして森内リードの場面で、9八銀と打ち、飛車を召し取りに行こうとした場面。

しかし、これが歴史的な大悪手だった。森内は次の一手を見て、文字通り飛び上がることになる。


八六桂!

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via GIFMAGAZINE

 これが開き王手をかけつつ、打ったばかりの9八銀を狙う一手。評価値は+2000超えから一気に+466へ急落。
実際はまだまだ先手有利の局面だったが、その後も森内のミスが出て終わってみれば世紀の大逆転負け。

以後、森内は名人を失冠することとなる。

 

天才棋士の一手詰め見逃し!
2001年竜王戦挑戦者決定戦3番勝負 羽生善治名人vs木村一基八段

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図は5六銀と木村が王手をかけたところ。逃げ場所は4か所あるが、7六に移動すれば安全。elmoの評価値は+4284の勝勢。

ところが、羽生の逃げた場所はまさかの6四玉!

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6五飛車打ちまでの一手詰め。驚くべきことに、羽生が一手詰めに気づいてなかったのである。
まさに魔がさしたとしか言いようがない。

なお、木村によると終局後の羽生は平然としていたそうだ。なんという鋼鉄のメンタル!


テレビ中継されたひふみんの大悪手
1979年加藤一二三王将vs大山康晴十五世名人


「ひふみん」の愛称で、バラエティ番組でも人気の加藤一二三だが、名人も経験した大棋士であることは周知の事実。
そんな加藤はテレビ棋戦であるNHK杯で大ポカをしてしまった。

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図は大山が6九銀とひっかけたところ。
この手は詰めろではなく、5二飛成、同飛車、4三銀と抑えれば、後手は受けようがない。elmoの評価値は「先手勝ち」。

しかし、加藤は8八金と逃げてしまう。

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大山はすかさず8八角成。同玉でも同角でも8七金打までの一手詰めのため、加藤投了。
ひふみん痛恨の一局となってしまった。


以上、すべて名人経験者による悪手でした。